先日、個人で契約しているサブスクリプションを見直したら、動画配信、音楽配信、クラウドストレージ、開発ツールまで含めて想像以上の数になっていて驚いた。仕事でSaaSを売る側にいながら、自分がまさに「サブスク疲れ」の当事者だったことに苦笑いした。
法人向けのSaaSでも似た空気を感じる。導入時は便利さに惹かれて契約したツールが、気づけば使われなくなり、それでも解約の手間を惜しんで契約が惰性で続いているという話をあちこちで耳にする。ツールが増えすぎて、どれが何のために入っているのか誰も把握していない組織も珍しくない。
値上げラッシュへの反応
ここ数年、多くのSaaSが値上げに踏み切っている。円安の影響もあって、海外製ツールのドル建て価格が日本の顧客には重く感じられる場面も増えた。値上げのたびに解約を検討する企業が増え、営業側としても以前より価格説明に時間を割くようになった実感がある。
一方で、統合型のプラットフォームに機能を集約させて、乱立したツールを整理する動きも出てきている。単機能のSaaSにとっては厳しい局面だが、利用者側からすると歓迎できる流れでもある。
営業の現場では、複数の単機能ツールをまとめて置き換える提案がしやすくなったという声も聞く。以前は「うちはこれ専用のツールを使っているから」と断られていたところが、コスト削減の文脈で話を聞いてもらえるようになった。景気の良し悪しに関わらず、コスト意識そのものは業界全体で底上げされている感覚がある。
個人の契約整理をした結果、結局解約したのは半分ほどで、残りは意外と使っていることに気づいて継続を選んだ。契約数を減らすことそのものが目的ではなく、何にお金を払っているかを自覚することが大事なのだと、当たり前のことを再認識した。
解約の手続きが意図的に分かりにくく作られているサービスに出くわすと、正直うんざりする。自分が開発に関わるプロダクトでは、少なくとも解約導線だけは誠実に作りたいと思っている。目先の継続率より、長期的な信頼のほうが結局は資産になるはずだ。地味な機能ほど、実は顧客からの評価に直結しているのだと、この仕事を続けていて何度も実感してきた。
作る側としても使う側としても、これからのSaaSは「便利だから増やす」段階を終えて、「本当に必要なものだけ残す」段階に入っていくのだろうと感じている。自分の財布と向き合いながら、そんなことを考えた週末だった。
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